犬ヶ岳(いぬがたけ)は、福岡県豊前市と大分県中津市に位置する標高1130.8mの山である。求菩提山、英彦山と共に修験者の山であった。春先の5月にはシャクナゲが咲き、秋には紅葉で有名である。
求菩提温泉・卜仙の郷付近から見える犬ヶ岳 | 大きな地図で見る |
歩行距離 | 8.0km |
所要時間 | 5時間10分 |
累積標高差 | (+) 869m (-) 869m |
コース | 登山口駐車場10:30 → 経読林道出合11:40 → 笈吊峠12:20 → 犬ヶ岳13:40 → 大竿峠14:30 → 経読林道出合14:15 → 登山口駐車場15:40 |
春、花が咲く山に撮影に行こうということで、ガイドブック「福岡県の山」を見ていると、尾根道にシャクナゲが咲くという犬ヶ岳のページが目に止まる。季節もちょうど当てはまり標高もそこそこあるし、登りがいがありそうだ。2年前に英彦山に登った後、これまで九重山周辺の山ばかりに関心を惹かれ、福岡県の山は途中いつも通り過ぎていた。よく調べてみると面白そうな山々がありそうだ。
早朝、萩を出発、美祢東ICから小倉東ICまでは高速道路を利用し、あとは苅田、行橋沿いの一般国道と椎津道路を下り、豊前市の宇島の交差点を右に折れ県道を犬ヶ岳方向に向かう。10:30犬ヶ岳登山口駐車場に車を置き山行開始。休日ということもあり駐車場は、車でほぼいっぱいだ。
最初は舗装されている林道を行き、分岐を左に折れウグイス谷コースに入る。杉林を抜けると新緑の自然林の砂利道になる。沢を縫い、徐々に高度を上げていく。林道を外れ、狭い登山道に入って行く。途中、炭焼の窯のような石組がある。道は狭くなりジグザグの急登になる。登山道のそばに最初のシャクナゲを見つける。急登を登り切り経読(きょうよみ)林道に出る。右に折れしばらく広い砂利道の林道を歩いて行く。10分ほどして左側にベンチがありそこを左に折れ岩がごつごつした登山道を登っていく。周囲にはシオジやカエデの大木があり、新緑から漏れる木漏れ日が眩しい。登山道のそばにまたシャクナゲを見つける。12:20急登を登り切り尾根道出る。竿吊峠だ。ベンチがあったので一休み。豊前の道駅で買ったサバ寿司を食べる。尾根上は風が強く少し肌寒い。
昼メシ後、九州自然歩道になっている尾根道を犬ヶ岳方向に向かう。犬ヶ岳まで1.1kmの距離だ。峠で下って来る中高年男性と言葉を交わし、シャクナゲの情報を聞く。1週間前に来た時はまだ蕾だったが、今は咲き始めているということだ。すぐにシャクナゲの花を見つける。細い山肌の急登の岩場を登っていく。途中、かなり大きい木が根元から倒れ、登山道を塞いで崩壊地に近い状態になっている。慎重に通過する。ジグザグの細い急登を登り切り再び歩きやすい尾根道にでる。そこかは尾根道の両側に絶え間なくシャクナゲの群落のトンネルが続く。ほぼ満開に近い。華やかで素晴らしい。しばらくして右手の視界がひらけ豊前市街や瀬戸内海が見えてくる。石組みの急な階段を登っていき、なだらかなブナの林になる。
13:40犬ヶ岳山頂(1130.8m)に達する。山頂中央には、下が避難小屋になっているコンクリート製の小さな展望台がある。しかし展望台の上に立ってもも周囲は樹林に遮られ展望はない。木が育つ前はまだ展望があったのかもしれないが・・・。山頂は、中高年のグループで満員状態だ。シャクナゲの花が美しく人気があるのも頷ける。記念撮影の後、来た道とは反対方向に尾根道を下って行く。ところどころに印象的なブナの巨木がある。大竿峠に達し、左に折れブナ、ミズナラの巨木の林を下って行く。沢沿いの道を降りたところで再び経読む林道に出る。左に行けば求菩提山に続く。右に折れてしばらく林道を歩いて行き、左側の恐渕コースへの急な石段を下っていく。やがて登山道は峡谷の断崖の道になり、いくつもの鎖場を通過する。かなりスリルがある。落ちないように慎重に!!渓谷の道は、少しずつ高くなり恐怖感が増す。一箇所滑りそうな岩で鎖がない場所があり、ほとんど尻餅をつくようにして下りていく。最後の断崖に張り付く道を下り、鎖の張ってある渓谷の小川横切る。増水時にはここを渡れなくなるかもしれない。渓谷の小川沿いの道を歩いて行き、小さい滝の前にかかる木橋を渡る。杉林を通過してしばらく行くと広い林道に出る。今は営業していない食堂を通り過ぎ、分岐まで戻ってくる。15:40無事駐車場に帰着する。
駐車場から豊前市のほうに向かい、求菩提温泉・卜仙の郷の温泉に立ち寄る。当日は、豊前市の道の駅「豊前おこしかけ」まで戻り車中泊する。翌日は、英彦山のとなりの兵滅鬼山(がくめきやま)に登ろうと、しゃくなげ荘入口に入る。英彦山大権現の駐車場に車を置き、登山口を目指すが道に迷った末、見つけることができず結局登頂を断念する。人がよく登る山であるのに道標のようなものがない。後で調べるとキャンプ場跡のある壊れた橋の跡のところを徒渉した地点が登山口らしい。(その場所も通っており、小さい板にマジックで書かれた標識があったが、兵滅鬼山とは書かれていなかった。)道の分からない山は、結局登らないほうが正解だった。替わりに英彦山か鷹巣山への山行も考え、麓まで行くが、体力も半分くらい使ってしまったので、中止して萩に変えることにする。もう少し下調べをして綿密な計画を立てておくべきだったと反省する。しかし犬ヶ岳のシャクナゲを見ることができ、少しスリルのあり満足ができた山旅であった。
求菩提温泉・卜仙の郷付近から目指す犬ヶ岳を見る。険しそうな山だ。 |
求菩提山(782m)もよく見える。犬ヶ岳とは縦走路でつながる。 山頂には国玉神社の上宮がある。 |
10:30登山口駐車場に車を置き出発する。 |
犬ヶ岳に登るには、ウグイス谷コースと恐渕コースがある。 ウグイス谷コースから登ることにする。 |
単独行は自分が頼りだ。慎重に行こう!! |
ウグイス谷の林道を行く。新緑が美しい。 |
沢沿の道を歩く。 炭焼の窯だろうか。 |
↑岩交じりの険しい道を登っていく。 |
登山道から少し離れたところに最初のシャクナゲを発見する。 急登を登り切り経読(きょうよみ)林道に出る。 |
経読(きょうよみ)林道を外れ再び登山道に入る。 その前にベンチで小休止。 そばにシャクナゲの苗が植樹してあった。 |
新緑が眩しい登山道を登っていく。 |
12:20 笈吊峠に達する。犬ヶ岳まであと1.1km。 ベンチがあったので一休みして鯖ずしを食べる。 |
笈吊峠から尾根道を行く。道沿いにたくさんのシャクナゲを見る。 |
|
トラバースした狭い急登を登る。 大きな木が倒れた崩壊地がある。慎重に進む。 |
尾根道はシャクナゲのトンネルになる。 |
|
シャクナゲのトンネルを抜け視界が開ける。 |
犬ヶ岳山頂に到着する。山頂中央に展望のない展望台がある。下は避難小屋になっている。 中高年登山者でいっぱいだ。 |
犬ヶ岳から二ノ岳を経て大竿峠に向かう。ブナ、ミズナラ の巨木がある。 |
|
大棹峠を右に折れ経読林道に出る。 |
|
大棹峠を下る途中に巨木を見る。 |
大棹峠を下る途中に巨木を見る。 |
経読林道に出て150m歩くと左手に谷下る石段がある。 |
断崖に掛る鎖場を行く。 |
谷沿いの道を進む。 |
鎖のかかる谷を通過。増水時は危険かもしれない。 |
杉林を通過。 |
|
下山後、求菩提温泉・卜泉の湯に立ち寄る。 |
総合登山記録 山口県の山 中国百名山 九州百名山 四国百名山 日本百名山 関東の山 南アルプス 屋久島縦走
航海記録 旅の記録 海の風景・ギャラリー 沖縄 山で見た花
Copyright(c)2014 軽きゃんぱー里山放浪記. all right reserved.